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逗子に暮らす作家がおすすめするアラフィフ生活

(パリ紀行⑤)オテル・リッツ・パリで贅沢なひと時を

 

リッツと言えば、我が家では泣く子も黙る夢のホテルの名称だ。

(因みにリッツ・カールトンとは異る)

 

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小さい頃から母に、映画「昼下がりの情事」(Love in the Afternoon)を観させられ、オードリー・ヘップバーンもさることながら、共演のゲーリー・クーパーに憧れている母に、素敵でしょ〜!こういう男性がママは好きなのよ!と幾度となく洗脳され、子供の頃はよく分からずに、父が帰宅するなり「今日は昼下がりの情事の映画を観たの!」と告げると、「変な映画を子供に見せちゃだめよ!」と呆れていた。父は「情事」と聞いただけで妙な映画だと思い込んでいたようで、母が陰でクスクス笑っていた。

 

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簡単なあらすじは、パリの音楽学院の生徒アリアンヌが、ずっと年上のアメリカ人の大富豪 Mr.フラナガンに恋をしてしまうお話。Mr.フラナガンのパリでの住まいは、オテル・リッツ・パリのスイートルームと決まっている。アリアンヌが学生だとバレないように、彼に近づく様子はなんとも愛らしい。

プレイボーイで名を馳せているフラナガンに対抗して、自分がいかにモテるかを演ずるアリアンヌの背伸びの仕方も賢くて、フラナガンは少しずつ小悪魔的な痩せっぽっちの小娘に想いを向け始めるというコメディラブストーリー。

 

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その映画舞台のほとんどがパリのホテル、リッツなのである。昔のものなので残念ながら白黒のモノトーン映画であるが、子供の私でも、その素敵さ優雅さにはたまらないものを感じていた。

 

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あれからもう何度同じ映画を観たか記憶がないほど。ローマの休日以上に観ていると思う。主題歌、魅惑のワルツ(Fascination)のメロディが流れる中、ホテルの内部、内装、廊下、バルコニー、すべてが憧れの白の世界であった。

 

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オテル・リッツ・パリは、かの故ダイアナ妃が最後の日を迎えたホテルでもある。ニュースで何度も流れた映像が脳裏に焼きついている。ホテルの防犯カメラに映っているエレベーター内のダイアナ妃。そしてホテルの回転ドアをクルリとしている映像。車に乗り込み、そのすぐ後にトンネル内で事故死。

あの映像は私には衝撃的だった。

憧れのホテルに、これまた憧れの美しいダイアナ妃が最後に泊まっていた…幾重の歴史をも刻んだ1898年設立の五つ星ホテル。

 

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因みに「昼下がりの情事」の映像のリッツには回転ドアはなく、入り口の造りも違う。リッツは2017年、460億円を投じた4年間にも及ぶ大改装で、再開業したのである。

 

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今回はそのリッツに、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで2泊も予約を入れた。薄給と家のローンで苦しむ大トトロに、リッツに2泊したい〜と言うと、うんうん、とどうでも良さそうなので、あのね〜宿泊費がうちのひと月分以上の生活費と同じだからね〜と話しても「いいんじゃないの、泊まりたいなら。メリハリだよメリハリ。」と意味が分からないが、メリハリでOKが出たので、夢が実現するのが嬉しくてたまらない。なんとか生きてきて良かった。

 


今日はリッツに移動する。ほんの500mほど先である。近いからとは言え、まさかいつものように貧乏臭く二つのスーツケースをゴロゴロしながらリッツに行く訳にはいかない。

 

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前泊のルグランからタクシーに乗り込み、オテル・リッツへ、と告げると、運転手があのリッツか?というようなリアクションなので、ヴァンドーム広場15番地のリッツ、と返すと、ウィ!と納得したようで、到着した時にはいきなりタクシーメーターが跳ね上がった。これもリッツ効果なのか。揉めるのは避けてスマートにタクシーを降り、駆け寄るドアマンにスーツケースを預けて中に入る瞬間、あ!回転ドア!このドアだわ、とダイアナ妃が触ったかもしれない木の部分を押しながら、別世界が広がるホテル内へと初登頂のような極上の気分だ。

 

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チェックインは3時。まだ30分以上ある。回転ドアの向こうは意外に狭く左右に廊下が伸びている。映画と同じく、白が基調の憧れの世界が広がっていた。

 

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大トトロとホテル内を散策する。左側の廊下を進むと、右手にガラス張りの優雅なレストランらしき店、そのお向かいはカフェらしき佇まい。

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お菓子が並びはじめ、アフタヌーンティの用意がなされている。更にその廊下を行くとシャンデリアの下がったこれまたパーティルームのようなクラシックの大きな広間。その更に先には小さなショップもあるようだ。

あまりウロウロするのも何なので廊下にさりげなく置いてあるビロードのチェアに腰掛け、行き交う人々の様子を眺める。

 

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そこへスーツ姿のホテルマンが来て、行き交う人々に小さな声で何気なく声をかけている。カップルがそそくさと回転ドアへ向かい出ていく。ホテルマンが私に近づき、これまたさりげなく、なにかお助けすることがございますか?と英語で尋ねるので、3時のチェックイン待ちだと告げると、納得したかのように、お待たせして申し訳ないです、もう少しこちらでおくつろぎください、とにこやかにワルツのごとく立ち去る。なるほど、ホテル内の見知らぬ外来種に失礼のないよう近づき、さりげなく質問して、用事のない種は出て行かざるをえないような、只ならぬ雰囲気を持ち合わせている接し方だ。ガラスドアの外は中庭。一輪の白い冬薔薇の奥から、柔らかな水の音が聞こえる。

 

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いよいよチェックインの時間。回転ドアの右側廊下を進んださらに右手奥の小さなカウンター前に立ち、バッグからパスポートを取り出す。


Mrs.⚪︎⚪︎ようこそリッツへ、とかなんとか言われて、私の名前で予約してしまったので、大トトロは相変わらずボディガードのように後ろにひかえている。

予約した部屋はMr.フラナガンのスイートルームではなく、バルコニーのない並みの部屋だ。因みにスイートルームはホテルの地図と外観から予想するに6部屋くらいしかない、と思う。

 

 

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テルマンが、簡潔にレストランやカフェやプール、Bar 、エステなどの説明をする。何かご質問はありますか?とルームキーを渡す。

 

とっさに、

「確か朝食はincludeしていなかったと思うのですが、朝食をつけて頂けますか?」と尋ねるとしばしの沈黙ののち、朝食したい?ですか?と私の様子を伺っている。

「是非お願いします。明朝だけです。明後日は早朝にイタリアに発ちますので朝食の時間はありません。」

「イタリア?!イタリアはどちらですか?」

「フローレンスです。早朝なので、飛行場までのタクシーの手配もお願いします。」

「わかりました。明日の朝食、食べたいですか?」かなりこだわっている模様。

「はい、もちろん!」

リッツでの朝食、経験してみたいではないか。

すると、

「このホテルは一般的に朝食はついておりません。でも貴女がこちらのホテルのメンバーになるなら、朝食が無料でつきます。メンバーになられますか?」

「はい、なります。」即答。

大トトロが背後から

「凄いじゃないの!」と笑って声援。

「では少々お待ちを。資料にサインして頂きます。」

とかなんとかやりとりがあり、

無料?メンバー?

気取りまくっているので頭は混乱し、何にでもウィ!だのYES!だの、たまに間違ってイタリア語のSi!だの、中国語のシェシェ謝謝!までが何故だか飛び出し、相手が笑い出すほどの言葉のミスを重ねた末に、無事チェックインしたのである。7時からの朝食の場所は散歩した時に見た奥のシャンデリアの大広間だそうだ。

 


今回、そして前回もそうだったが、パリではやたらに道行く人やデパートで出会う人、レストラン、植物市場でも、私をじっと見て「Beautiful 〜!」と言ってくる、優しくも弱視らしきフランス人の方々がいらっしゃった。どうして私なんぞがこの上ない美しいフランス人にbeautifulなどと…。大トトロまでが首をかしげる始末だが、その方々の共通点はみな年配者である。

その都度「Merci beaucoup〜」とヘップバーンばりに、にっこり返す。

 

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パリへの旅では、幾つかのエレガントな銀座ヴォーグやヴォルサリーノの帽子は欠かせない。ワンピースにコートというクラシックファッションでパリジェンヌになりきる。街ゆく人々のカジュアルな服装の中、おそらく年配の彼らにとっては古き良き若き時代のパリを彷彿とさせる装いなのだろう。特に帽子はマダムの必須アイテムのようで、バスの運転手でさえ、ステップを上がる際、手を差し伸べてくれたり、他と扱いが全く違う。帽子を目深にかぶれば顔かたちがどうあれ、マダ〜ム♡なのがおフランスの美しいところである。リッツの会員になれたのも朝食無料も、全てが頭にチョンと載せた帽子のお蔭であったのだ。 

  

 

           つづく

 

 

 

 

 

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